ガラージという音楽ジャンルはご存知ですか?
ハウスミュージックやクラブミュージックに興味のある方は聞いたことがあるかもしれません。
ということで、今回は現在のガラージとはどんな音楽なのか、またその代表曲を紹介します。
ガラージとは
ガラージ(またはガラージュ、ガレージ、英:Garage)は、かつてニューヨークに存在していた
パラダイス・ガラージ(Paradise Garage)
というクラブが由来です。
つまり、ガラージとは主にパラダイス・ガラージで掛けられていたソウルやディスコ、ロック、ジャズ、ラテン、ハウスなどの音楽のことを指します。
パラダイス・ガラージとラリー・レヴァン
ですが、厳密にいうとガラージの定義については一定しておらず、人それぞれで微妙に解釈が違っているというのが現状です。
ちょっと調べただけでも、
ガラージとは
- パラダイス・ガラージで掛けられていた音楽全般(上記と同じ)
- 音楽ジャンルというよりは、パラダイス・ガラージの主力DJであったラリー・レヴァンのDJスタイル
- パラダイス・ガラージでラリー・レヴァンが掛けていた曲
- ラリー・レヴァンが掛けるような曲
みたいな解釈があります。
ただはっきりしてるのは、ガラージはパラダイス・ガラージ、そしてDJであったラリー・レヴァンととても関係が深いということです。
Youtubeで探すとラリー・レヴァンによるパラダイス・ガラージで行ったDJプレイを聴くことができます。
パラダイス・ガラージとは
かつてニューヨークにあった、史上最高のクラブの1つとして語りつがれているのがパラダイス・ガラージです。
“理想的なクラブだった”と誰もが振り返るPARADISE GARAGEは76~87年まで11年間に渡ってダンス・ミュージックの聖地として、肌の色やセクシュアリティー、宗教を超えて数多くの人々を熱狂させ、DJ LARRY LEVANの神業的プレイと共に、現在に至るまで強烈な影響力を放ち、伝説として語り続けられている。
引用:HOUSE LEGEND
サウンドシステムや演出において抜きん出ていたパラダイス・ガラージは当時の音楽シーンの中心でした。
そのため、画家のキース・ヘリングや歌手のマドンナなどの著名人も訪れており、マドンナに関しては、デビュー曲「Everybody」はパラダイス・ガレージで撮影されています。
その他にもロレッタ・ハロウェイやチャカ・カーン、グウェン・ガズリー、グレイス・ジョーンズをはじめ、豪華メンバーによるライブも頻繁に行われていました。
ラリー・レヴァンって誰?
上記のパラダイス・ガラージの主力DJであり、”伝説を生み、伝説を生きたDJ”とまで称されるのがDJラリー・レヴァン(Larry Levan、1954-1992)です。
彼はPARADISE GARAGEのメインDJとして、幅広い音楽やサウンド使い、スピリチュアルかつ語りかけるようにプレイし、多くの人に衝撃を与え、現在に至るまでダンス・ミュージックシーンに絶大に影響を与えている。
引用:HOUSE LEGEND
人々を感情移入させてしまうドラマティックなDJは芸術の域まで達しており、もはや神業だったと言われています。
彼のDJに衝撃を受けてDJを志すようになった者は数知れず。
ラリー・レヴァンは史上最も影響力のあったDJとみなされています。
それほどの影響力を持っていたからこそ、彼がプレイしていた音楽やそれらと関係がある音楽は、ガラージという音楽ジャンルとして今なお呼ばれるのです。
ちなみにラリー・レヴァンの学生の頃からの親友が、ハウスミュージックの創始者と言われるフランキー・ナックルズです。
彼らは切磋琢磨し、ダンスミュージックの一時代を築きました。
このことからガラージがハウスミュージックをはじめとするクラブミュージックと関係性が深いことがわかります。
ガラージとはどういう音楽のことを言うか、なんとなくイメージはついたでしょうか?
以下では、ガラージとして有名な曲をいくつかピックアップしてご紹介します。
ガラージの名曲を紹介!
ガラージの名曲たちをご紹介します。
主に「HOUSE LEGEND」という本を参考にしましたが、筆者の主観も入っているのであくまで参考までにです。
MSFB – Love Is The Message
ガラージというかダンスミュージック全般におけるド名曲であるフィリーソウルの「Love Is The Message」。
以下の動画は、クラブでよくかかるDanny Krivitによるリエディットバージョン。
ちなみに動画の画像がパラダイス・ガレージのロゴです。
また下記にあるApple Musicのプレイリストにはオリジナルバージョンが入ってます。
First Choice – Let No Man Put Asunder
サルソウルの中でも人気の高い作品であり、フィメールトリオFirst Choiceの代表曲の1つでもある曲。
ハウスミュージックの創始者であるフランキー・ナックルズがプロとして初めてリミックスした曲としても有名です。
Peech boys- Don’t make me wait
ラリー・レヴァン率いるバンドPeech boys(後にN.Y.C. Peech Boysに改名)の代表曲。
じわじわと攻める感じにラリー・レヴァンのセンスを感じます。
今でも根強い人気のあるガラージど真ん中の曲です。
Loleatta Holloway- Love Sensation
ダンサーにも人気が高いであろうこの曲。
以下の動画は、「HOUSE LEGEND」で紹介されていたShep Pettiboneによるインスト付きバージョン。
Double Exposure – My Love Is Free
この曲も長年多くDJに愛されてきたサルソウルの名曲です。
メロディーラインが美しく、否が応でも平和な気持ちにさせてくれます。笑
Inner Life – Ain’t No Mountain High Enough
クラブミュージックが好きなら一度は聞いたことがあるであろう名曲中の名曲。
オリジナルはマーヴィン・ゲイとタミー・テレルのモータウンクラシックで、またロレッタ・ハロウェイのカヴァーも有名。
ですが、ダンスミュージック好きには当然以下のラリー・レヴァンMixでしょう。
Marshall Jefferson – Move Your Body
ガラージというよりはハウスミュージックど真ん中の曲のイメージですが、こういう曲もガラージに入るということですね。
Nami Shimada – Sun Shower (Larry Levan Mix)
これはガラージというか、ラリー・レヴァンがミックスしたということで記載。
この曲の歌い手である日本のアイドル島田奈美が1990年に引退後、リミックスを手がけた寺田創一が買い取り、ホワイト版としてプレスしてニューヨークのクラブで配布しました。
それがクラブでウケて、なんとラリー・レヴァンによってリミックスされたというなんとも稀有な作品です。
今でもたまにクラブでかかります。
Apple Musicで100曲以上のガラージを紹介!
さらにもっと楽曲を知りたい方は、以下のApple Musicのプレイリストに100曲以上まとめています。
ぜひ利用してみてください。
ガラージについてもっと知りたい人へ
ガラージについてもっと知りたい方は以下の様なものをおすすめします。
私も参考にさせていただきました。
HOUSE LEGEND
ハウスミュージックの教科書とも呼ばれる「HOUSE LEGEND」。
ただハウスミュージックが主というよりは、ダンスミュージックシーン全般に対して書かれていて、ガラージの記述もとても多いです。
MAESTRO
クラブカルチャーの起源を捉えたドキュメンタリー映画「MAESTRO」。
パラダイス・ガラージの栄枯盛衰を中心に描かれており、ラリー・レヴァンのことにも多く触れています。
最後に
私なりにまとめると
ガラージとは、今のダンスミュージックのルーツであり、パラダイス・ガラージやラリー・レヴァンと関係のあった曲たち。またはラリー・レヴァンのDJスタイル。
ってことですかね。
すっごく簡単にまとめましたが、もちろんこれはあくまで私の解釈です。
より知りたい方は上記で紹介したものやDJさんたちの話を参考にしてみてください。
中には昔の曲を知っていいことあるのか?と思う方もいるかもしれませんが、当時の音楽を知ることによってダンスミュージックをより楽しめる様になりますよ。
今の曲たちに対しても「こういう曲が元になってるんだろうな」って理解が深まります。
音楽好きはぜひガラージを聞いてみてください!
読んでいただきありがとうございました。